George Lucas監督作品 STAR WARS: EPISODE II - ATTACK OF THE CLONES 2002.12(2001)
シリーズ第5作目だけれど、本作はご存じの通り最終的に全9話をもって完結する壮大なSF冒険活劇の2番目のエピソードにあたる。
この第2話は、第1話であるSTAR WARS: EPISODE I - THE PHANTOM MENACE (1999。DVDは2001年11月に販売開始。)でJediの騎士たちによって見出されたAnakin Skywalker(誠に美形なお兄さんHayden Christensenが演じてます。CanadaはVancouver生まれだとのこと。)が、第1話では惑星Nabooの女王Amidalaとして登場し、本作では「銀河共和国」元老院議員(英語だとsenator。)に転身したことになっているPadme(eは右上がりアクサン付き。イスラエル共和国出身のNatalie Portmanが演じてます。)と恋に落ち結婚に至るまで、というプロットと、第1話から登場している(というか、前の三部作でも登場してましたね。)本作では元老院最高議長に就いていて恐らくエピソードIII以降では自ら「皇帝」を名乗ることになるPalpatine(Ian McDiarmidが演じてます。発音がとても難しい苗字のこの人、スコットランド生まれだそうです。)が裏工作を行なって、共和国とそれと対立する「分離主義派」の惑星系住民が作る組織である「独立星系連合」の間に「クローン戦争」を引き起こすまで、というシリーズ中とても重要な二つのプロットを絡ませて描く。
さてさて、ここまで観た限りでは、このシリーズは、「ローマ帝国興亡史を銀河宇宙規模でやっているだけやん…。」、ということになってしまうのだが、これはあながち的外れではないだろう。エピソードIIIまででは元老院が統治する共和制が崩れて帝政へと移行する過程が語られ、エピソードIV以降では帝国が崩壊する過程が語られる、というわけだから。これは、露骨なまでに、「ローマ帝国興亡史」そのものである。
他にも、基本的に日本のチャンバラ劇(エピソードIVなどは端的に「黒沢映画」なのだが…。)だの「アーサー王と円卓の騎士」にまつわる伝承(ついでに言うと、キャストやスタッフにケルト系の苗字を数多く見出してしまうのは気のせいだろうか?)だのといったものが模倣ないし援用・翻案されているのは間違いないのだが、まあ、そうは言っても、兎に角この遠大なスケールの物語を構想し、自分たちが作ってきたというか今も作り続けている世界最高水準かつ世界最新のSFX技術で人々に提供する、という作業を行なっているGeorge Lucasを筆頭とするスタッフは極めて優れた人たちであることだけは間違いない。オリジナリティなどというものは、今日においては最早「見せ方」にのみ宿りうるものなのかも知れないのだから。
以下蛇足というか補足なのだが、これだけ壮大なスケールのお話で、新作公開までが大体3年かかるという実にマイ・ペースな製作姿勢だと(その間に生じるテクノロジーの進歩が、作品の仕上がりにモロに影響していて、その辺が面白かったりもするのだが…。)、実際問題話の本末というか辻褄が良く分からなくなってくるのも事実。製作者達も、物語そのものや人物、組織設定その他の余りの複雑化が観衆の興味を失わせてはまずい、と考えているらしく(興行収入に響きますからね。)、どうやら人々(および製作スタッフ達自身の、かも…。)の記憶能力を補助すべく作られているのが「Star Warsの公式サイト」内のデータ・バンクで、上の記述などもこれを参考にしている。このデータ・バンク、映画では語られない情報も多々ある優れもの、というか恐らくは「マニア垂涎」の内容となっています。なお、英語が読めない方は「スター・ウォーズの鉄人!」という、上記データベースの日本語版を含むサイト(それだけではなく、それ以上かも。どこで情報を仕入れているのやら…。)、をご覧頂くとよろしいかと思う。以上。(2003/07/07)