the Corrs In Blue
日本国内でもとうとう大ブレイクしてしまった彼らの第3作。何でなのかは分からないのだけれど、どこかのドラマだかCFだか何かで使われているのかも知れない。「アイリッシュ・トラディショナル」な楽器群(tin whistle, bodhran,fiddleないしはviolin)の使用は前作までとは異なってさほど目立たない。(本作で初めて彼らの楽曲を聞いて、改めて前2作を聞いたらきっと驚くのではないかと思う。)この点に関しては、あるいはプロデューサがDavid Fosterでなくなったことが大きく影響しているのかも知れない。深読みするならば、ある種の植民地主義的発想から、「アイリッシュ・トラディショナル」なサウンド・スタイルを取ることを余儀なくされていた彼らが、実のところそんなものには拘っておらず、というよりは殆ど嫌気がさしていて、本当は本作のようなシンプルで「普遍的」(簡単に言えば、「売れ線」のということです。)なポップスをやりたかったのだ、というでは、などと邪推してしまう。余りにも軽過ぎる曲も何曲かあるけれど、基本的には極めて良質のポップ・アルバムである。(2000/08/07)