The Thrills So Much For The City
ダブリン出身の5人組The Thrillsのデビュウ・アルバム。先行シングルはFMなどでもよくOn Airされており、以前からかなり話題になっていたのだけれど、ようやくフル・アルバムが発売となったわけだ。ちなみにこのバンド、地元アイルランド共和国での人気もさることながら(アルバム・チャートはしっかり1位をゲット。)、元宗主国英国でも売れているし、何故か日本でもそこそこ売れている(来日公演さえ既に行なわれてしまった次第。)。サウンド指向は、アイリッシュな印象は全くなくて、端的に言って1970年頃のアメリカ西海岸風アコースティック・フォーク。といって、それは全く一枚岩なものではないのでもう少し詳しく述べると、決してサイケデリックな方向ではなく、どちらかというと「The Beach Boys的爽やかサウンド」を指向、ということになる。実際には、それとも微妙に違うのだが、それを言い表すのはとても難しい。以下はあくまでもごくごく個人的な評価だが、先行シングル‘Santa Cruz’は傑作だと思うし、他の楽曲も決して悪くはないのだが、全体にちょいとばかり甘ったるすぎる感じがしさえもする。とは言えその才能がアルバムの要所要所に感じられることも確かで、何となくすぐにもリリースされそうな気がしている次回作に期待することにしたい。以上。(2003/07/20)