M. Night Shyamalan監督作品 The Village 2005.04(2004)
全米では M. Night Shyamalan's The Village というタイトルで公開された作品。まるで『Be My Last』などという奇跡みたいな楽曲を生み出した超シンガー・ソングライタH.Utadaの母親みたい、という突っ込みを入れたくなるのだが、それは兎も角、こんなところからも分かるように、デビュウから数作ではや独自のスタイルを確立した感のある同監督が今回描くのは、なにやらおぞましい魔物が住むらしい森に囲まれたとある村のお話。複雑な物語ではないので訴えたいことも良く分かるし、映像や音響も見事だし、これはこれで良い作品だと思う。
以下、ネタバレになるので未見の方は注意。Shyamalan映画のことだから、「何々は実は何々だった。」というオチがつくのはお決まりとなっている。で、そう思って観ているので、「これって、要するにナマハゲだな。」とか、「ヘ……飛…かな?(バレバレ過ぎなのでさすがに伏字。字数もテキトー。)」とかそんなことを考えてしまうわけだ。この映画もまた、この人の撮って来た幾つかの作品同様大変面白い趣向を備えているのだけれど、そういう観方を何となく強要されてしまうのが悔しいと言うか、勿体無いと思う次第なのである。
ところで、実はこの映画を観ることでナマハゲや世界中にあるそれに類似した慣行については深く考えさせられたところもある。そういったものは要するに共同体がその維持継続のために行なってきたもので、つまりは若い衆に扮装させて村人、特に子供を脅かし、それでもって「村の外は怖いんだぞ」、ということを子供に教え、ついでに免疫をつけさせよう、というような意図をもっているのだと思う。監督の出身地インドや、現在の活動地である北米にもそういうものがあるのかな、などと考えてしまったのであった。まあ、あるんでしょうね。以上。(2005/10/26)