Damon Albarn Everyday Robots
1990年代にブリット・ポップを牽引した英国のバンドblurのフロントマンである、デイモン・アルバーン(Damon Albarn)による初のソロ・アルバム。2009年から復活を果たしたblurのワールド・ツアーの合間に作られたというこのアルバム、プロデューサはリチャード・ラッセル(Richard Russell)、そしてまたブライアン・イーノ(Brian Eno)、ナターシャ・カーン(Natasha Khan)らが名を連ねる。ストリングスを多用した不思議な雰囲気のタイトル曲"Everyday Robots"が何と言っても素晴らしいのだが、全編を通して、アコースティックなサウンドを基調に、デイモンが静かに歌い紡ぐ、といった内容を持つ。洒脱にして軽快、そしてまた時に極めてシニカル。常に時代の先端を走ってきた一人のミュージシャンが、その人生をふと見つめなおしたかのような印象を受ける、卓抜な作品である。以上。(2014/05/17)