KEANE PERFECT SYMMETRY
UKが誇るピアノ・ポップ・バンドであるKEANEの通算3作目。凝りに凝ったアレンジは前作から継続。これまではどちらかと言うと透明感を押し出していたけれど、今回はファルセットを多用し、粘り気や色気や力強さを増した感があるヴォーカル、明るいテイストの1980年代を感じさせるポップ・サウンドへの指向性が顕著なことなどが本作の特徴となっている。また、ドラッグ中毒を克服したらしい、私と同じ誕生日なヴォーカルのトム・チャップリン(Tom Chaplin)があちこちでギターを弾いているのが新趣向だったりもする。実のところギターレスが謳い文句なところもあったこのバンド、こういうことになるとギターの音がかなり目立つワケで…。それは措くとして、正直なところここまでポップになると私の嗜好性からはやや外れてしまうのだけれど、その根底に流れるUKロック・UKポップの血のようなものは、やはり捨てがたいのである。以上。(2008/12/23)
PERFECT SYMMETRY