U2 Songs of Experience
昨年末、約4年ぶりに発表されたU2による14枚目となる新作。タイトルは前作と同じくウィリアム・ブレイク(William Blake)からとなる。要するにこの2枚はセット、と考えてよいのだが、すぐに出すつもりだったものが色々あって伸びに伸びた、らしい。プロデューサとして迎えられたのははスティーヴ・リリー・ホワイト(Steve Lillywhite)、デンジャー・マウス(Danger Mouse)等々といつものように多彩。音的には前作同様のバンド・サウンドを基調としているけれど、なんだか、楽曲が良すぎるというか、40年もやってきて、まだこんなみずみずしいさに溢れたものが作れるのか、と驚くことしばし。こんなバンド、どう考えても他にはない。個人的には、ボノ(Bono)のヴォーカルとエッジ(the Edge)のギターの絡み合いが何とも味わい深い3曲目"You're the Best Thing About Me"と、これまた彼ららしいとしか言いようがないメッセージ・ソングの4曲目"Get Out of Your Own Way"が楽曲としては傑出しているように思うけれど、その他、全く捨て曲なしの見事なアルバムとなっている。数々の名曲、名アルバムを残してきた彼らが、新たに打ち立てた金字塔的傑作である。以上。(2018/01/02)