nine inch nails year zero
アメリカを代表するインダストリアル・ロックの雄である、トレント・レゾナー(Trent Reznor)率いるNIN(Nine Inch Nails)の2年振りとなるオリジナル・アルバム。あれだけ売れた前作を買っていないのはさすがにマズイのですぐに入手する予定なのだが、それは兎も角、と。「プロパガンダ、修正主義、暴力、ウルトラ・リアリズムといった諸々のものがこの超大国の一部である」、という意味の歌詞が歌われる先行シングル"Survivalism"や、どう考えても反ブッシュの色が濃い"Capital G"などにも明らかなように、極めて政治的メッセージ性の強い作品となっていて、大変面白い。随所にヒップ・ホップ的なアレンジが顔を出すのだけれど、基本的には徹頭徹尾重厚なサウンドで、ちょいとひねった感じのノイズもとても心地良い。これは問題作であると同時に大変な傑作ではないかと思う。以上。(2007/04/25)